Short story

ヘヴィー

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花男二次元小説、総X優。ダークシリアス。死ネタではないですが・・・ひたすら重く暗いですので、ハッピーエンドしか受け入れられない方は読まないことをお勧めします。





[I’m so heavy … heavy in your arms…] by Florence + The Machine

なぜかそんな歌のフレーズを一瞬思い出した。
私もこの歌の主人公のように沈んでいくのね。
私の体は鉛のように重いはず。
あなたは私を水の中に沈めていくのね。

いいのよ。これでいいの。
私の体はやがて冷たくなるでしょう。
この水のように。
そして、私はあなたの心と一緒に沈むでしょう。

私の首に食い込む指が強くなる。
でも、その指はとても震えている。
私は無抵抗で無防備状態。
毒された体は痺れて動けない。

そして、あなたは私という錘を降ろすの。
でも、その代わり、あなたの心は私がこの体と一緒に持っていくのよ。
呼吸が苦しい・・・意識が薄れていく・・・
ぼんやりと苦しそうなあなたの顔が見えた。
そして私は最後の吐息を吐き出す。
そして、私は沈んでいく・・・永遠の眠りの中へ

それなのに・・・なぜ?
あなたは私を抱え上げ、水から引き上げた。
私は突然入ってきた空気にむせた。

「ごめん。優紀。ごめん。」

あなたは私は抱きしめた。
なぜなの?壊れてしまった私はあなたには重荷のはずなのに・・・
私の心はもうすでに死んでいるのに・・・
何もわからない、何もできない、何も思い出せない・・・
私は動くこともしゃべる事さえできない。
ただ、わかるのはあなたは私のいとしい人。
そして、あなたを苦しめているのが私だということ。

「優紀、苦しいよね。開放してあげたいのに、俺はできない。君を失えない・・・失いたくないんだ。」

何故、泣くの?
私を抱きしめる腕に力がこもる。
どうしていいのかわからない。
どうして私はこうなったのだろうか・・・
それさえも思い出せないし、考えることもできない。
あなたに声をかけたいのに、唇さえ動かせない。
この手であなたに触れたいなのに指でさえもピクリとも動かない。
まるで石になってしまったような頭と体が重い。

星のない暗い夜に浮かぶ満月はどこまでも蒼く重い
どこまでも私を被い尽くす闇は決して離れようとはしない
せめて眠りたいのに目を閉じることもできない
ああ、神よ、なぜ・・・これは何かの罰なのでしょうか?
ああ、神よ、お願い、もうこれ以上、彼を苦しめないで。
どうか、私の愛する人に祝福をおあたえください。
今の私はそれを望むことしかできないのだから・・・

The end









総二郎サイドオマケ

どうしてこうなってしまったのかはわからない。
優紀は3年前の交通事故で壊れてしまった。
体の傷は思ったよりも軽傷だったのに彼女の精神は重傷だった。
そう、彼女はまるで人形のように動かない。でも、植物人間とも違う。
どう、違うかって、医師の話によると、彼女は意識があるからだ。
意識があっても人形のように動かない。
ただ一点だけを見つめているが、その目は虚ろで何も映っていない。
瞬きさえもしないガラスのような目。

苦しいはずだ。だから、開放してあげたかった。でも、できなかった。
沈んで行く彼女を見ていて、胸が苦しかった。
冷たくなっていく彼女に我慢できなかった。
どんな状態でも優紀が生きていてくれるだけでいい。これは俺のエゴ。
もちろん、戻ってきて欲しい。でも、見込みはないといわれた。
だから、俺の手で彼女を逝かせてあげたかった。でも、だめだ。
俺が壊れてしまう。彼女のいない世界なんて嫌なんだ。

ごめん、優紀。
俺はその乾いた唇に口付けた。
微かな温もりはあるものの精気はまったく感じられない。
それでも、彼女は生きている。

ああ、頼むから誰か彼女を助けてくれ。
彼女が生きていてくれるなら、笑っていてくれるなら、俺はどうなってもいい。
この血肉でさえくれてやるさ。だから、返してくれ。
俺の愛する人を・・・優紀を・・・




あとがき:今回はダークなものを書いてみました。本当はダーク物を書く柄じゃないのですが、たまには気分を変えるのもいいかと思い書いてみました。これもちなみに歌のイメージを借りました。Florence + The Machine のHeavy in your armsからです。自分で書いていて、泣きそうでした。こんどはもっとほのぼのしたものを書こうと思います。



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